Cocco クムイウタ
98年5月13日にリリースの作品。私が初めて購入した彼女の作品はこのセカンドアルバムだった。


彼女自身の手によるコラージュのジャケット画像にシンプルなデザインのディスク。物凄く静けさを感じさせるアートワークだ。実家に保管しているので写せなかったけれど、帯に書かれたキャッチコピーは確か「降り続く雨が終る時」。まさしくあの当時の私が求めていた言葉だった。
彼女を知ったのは雑誌スタジオボイスのインタビュー記事で。デビュー直後の頃のインタビュー記事で、気にはなったのだけれど、実際に音を聴いてみようとまでは思わなかった。その時に聴いていればインディーズ盤も簡単に手に入ったのだけれど(後々になってオークションで頑張って入手…)。実際に彼女の歌声に触れたのはその年の11月にリリースされたセカンドシングル『強く儚い者たち』。大阪のFMラジオのヘヴィーローテーションになっていて、当時大学の工房では1日中ラジオをかけていたので、何度も耳にすることになった。ただ、その時にはこれがあのCocco の歌なのか…と言う感じで、以前のインタビュー記事で読んでいた印象で想像していた音とは違うなぁと思った。多分その時に『カウントダウン』か『首。』を聴いていればイメージ通りだったのだろうけれど。今でも少し偏屈なところが残っているけれど、当時はさらに天邪鬼で周りの人間がCocco の『強く儚い者たち』良いねと口にすれば思わず、「そう?なんかメロディーは良いけど、歌詞が残酷じゃない?」なんて言って軽く否定していた。
それからしばらく時間が経って。修了間近の2月から3月の頃に、まだしぶとく制作を続けていた工房で再び彼女の楽曲に出会うことになる。DJが「それではCocco さんの新曲です」と告げた瞬間に何故か自然と耳を澄ませていた。そして流れ出した『Raining』。もう、初めて聴くその楽曲に捉えられてしまった。アルバムが出たら必ず買おうとそう、決心した。
それから間もない4月に私は初めて実家を離れ関東の地に赴いた。地元の大学院を修了してすぐにまた関東の大学の大学院に進学したのだった。狭かったけれど、それなりに快適だった学生宿舎。でも、入学してしばらくは精神的に苦しい時期が続いた。体調も少し崩しかけていた頃、アルバムがリリースされることを思い出し、入荷日に宿舎近くのショップへと急いだ時のことはまだ覚えている。もう暗くなった時間に、店に入り、平積みされたこのアルバムを発見したときの一瞬心臓がドキッとした感じ。いそいそと部屋に戻り、コンポに入れて再生ボタンを押して。1曲目がアカペラだったので、思わずボリュームを少し上げたのだけれど、続く2曲目の歪んだギターの音に驚いて慌ててボリュームを戻したこと…。
正直、最初は『Raining』しか自分の中に入ってこなかった。アルバムの楽曲達が自分が勝手に想像していたものと違っていた。でもそんなはずはない、そんなはずはないと、何度も自分に言い聞かせるように繰り返し再生した。そのうち『うたかた。』の美しさに気付き、いつの間にか全ての楽曲が自分の中にどんどん入ってきた。
あの日からもう10年以上経って…。なぜかふと当時のことを思い出して。未だに胸にくすぶる想いを複雑に感じながらこのアルバムをプレイヤーに入れた。

























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